2023年度おすすめの助成金をご紹介します。
そのほかにも「50、60代の従業員がいる」「育児休業・介護休業を取得予定の従業員がいる」などさまざまなきっかけで利用できる助成金があります。
リスクを抑えた資金繰りができます
弊所では「初回無料相談」+「着手金なし」+「成功報酬(受給額の30%)」で、リスクを抑えて助成金の申請をすることができます。
「どんな助成金が受けられるのか知りたい」など気軽にご相談ください。
※雇用関係の助成金申請代行は社会保険労務士の独占業務です。
※記載内容は2023年6月1日現在の情報に基づいております。年度の途中で支給要件の変更や廃止等がありますのでご注意ください。
キャリアアップ助成金(正社員化コース)
非正規社員から正社員への転換で助成金を受け取ることができます。
大人気のキャリアアップ助成金ですが、昨年要件が変更になり、申請が難しくなりました。
しかし、要件を満たしさえすれば、引き続き条件の良い助成金には変わりありません。
支給要件
有期契約社員等を正社員に転換することで助成金が支給されます。
そのほか無期契約社員(パート、アルバイト)・派遣社員からの転換もありますが、圧倒的に多いのが有期契約社員からの転換です。
対象従業員の主な条件
《転換前》
・入社から6ヶ月以上3年以下の有期契約社員であること
<23年11月から拡充されました>入社から6ヶ月以上経過した有期契約社員であること
・入社6ヶ月以上で定年まで1年以上の期間を残している無期契約社員であること
《転換後》
・雇用保険に加入していること
・社会保険に加入していること(適用事業所の場合)
・正社員転換後6ヶ月間の賃金総額が、転換前直近6ヶ月の賃金総額よりも3%アップしていること
→賃金アップの条件があるので注意が必要です
助成金額
有期雇用労働者の転換の場合・・・57万円
<23年11月から拡充されました>80万円
無期雇用労働者の転換の場合・・・28.5万円
ひとり親家庭の親などの場合には別途加算もあります。
<2023年11月から拡充されました>初めて正社員転換をした場合に20万円加算されます
ポイント
キャリアップ助成金については2022年から要件が変更になっておりますので注意が必要です。
・正社員と非正社員の区分が明確な就業規則の下で6ヶ月間雇用されている必要があります
賃金の額や計算方法、「賞与や退職金の制度」かつ「昇給」の有無において正社員と明確に区分されている必要があります。
さらに、就業規則を改定等してから6ヶ月が経過していなければならないということです。
スケジュール
助成金は厳格に申請時期や期限が定められています。
転換の6ヶ月前に整備しておく必要があります
6ヶ月の賃金を支払った翌日から起算して2ヶ月以内
申請の難易度も増していますので、助成金の要件にあった就業規則の改定などを含めて専門家である社会保険労務士にお任せください。
人材開発支援助成金
従業員の訓練・研修にかかった経費や期間中の賃金の一部が助成されます。
2023年からいくつかのコースが統合され、雇用形態や研修時間の要件が緩和されました
支給要件
事業展開等リスキリングコース
・OFF-JT(業務と区別して行われる研修等)により実施される訓練であること
・実訓練時間数が10時間以上であること
・事業展開を行うにあたり、新たな分野で必要となる専門的な知識および技能の習得をさせるための訓練
今年度からあらたに登場したのが、何かと話題の「リスキリング」コースです。
新規事業展開に必要な訓練という条件はありますが、助成金額等は高く設定されています。
人材育成支援コース
・OFF-JT(業務と区別して行われる研修等)により実施される訓練であること
・実訓練時間数が10時間以上であること
これまでの各種コースがまとめて人材育成支援コースとなり、訓練時間数も20時間から短縮されています。
対象従業員の主な条件
・訓練実施期間中に雇用保険の被保険者であること
・8割以上の訓練時間数を受講すること
助成金額
事業展開等リスキリングコース
賃金助成・・・OFF-JT1時間あたり 960円
経費助成・・・外部講師や受講費等の 75%
人材育成支援コース
賃金助成・・・OFF-JT1時間あたり 760円
経費助成・・・外部講師や受講費等の 45〜75%
政府が推進していきたいリスキリングコースの方が助成金額が手厚くなっています。
そのほかの要件や申請の手間も少しだけリスキリングコースの方が簡略化されています。
ポイント
・実訓練時間数が10時間に短縮された
・雇用形態を問わず訓練の受講が可能になった
・正社員化や賃上げで助成率アップ
1従業員につき1年度で3回まで(1事業所1000万円まで、リスキリングコースは1億円まで)受給できます。
申請の手続きは大変ですが、新卒採用を定期的に行なっている企業や、従業員の訓練を定期的に行なっていきたい企業などで年間を通して活用できればその効果は大きなものになります。
スケジュール
助成金は厳格に申請時期や期限が定められています。
最大のポイントは計画届の提出が訓練開始前1ヶ月前までに提出しなければいけないということです。
訓練を受け始めてから申請することはできないということになります。
訓練開始日から起算して1ヶ月前までに労働局に提出する必要があります
訓練終了日の翌日から起算して2ヶ月以内に労働局に提出します
業務改善助成金
賃金アップで機械設備やシステム導入費用を助成します
事業所内の最低賃金をアップすることで、生産性を向上させる機械設備やシステム導入の費用をまかなうことができます。
毎年申請することもできますので、最低賃金が上がるたびに従業員の時給を引き上げている場合などに活用いただけます。
人気がある設備投資
業種 | 導入設備例 |
---|---|
全業種 | 会計・売上・顧客管理等のシステム、受発注機能付きホームページ |
建設業 | 型枠自動洗浄機、ショベル機、 |
介護事業 | 福祉車両、電子カルテ、自動織機洗浄機、除菌消毒器、見守り支援システム |
飲食業 | 券売機、多機能加熱調理機、換気設備、食器洗浄機、真空包装機 |
小売業 | POSレジ、自動釣り銭機、業務用冷蔵庫 |
過去に助成金の申請が通った事例の紹介であり、必ず認定されるとは限りません。
そのほかの業種についても事例をご紹介できますのでご相談ください。
支給要件
・労災保険に加入している
・対象従業員の時間単位賃金を30円以上アップ
対象従業員の主な条件
・1時間あたりの賃金が地域別最低賃金+30円以内
<23年8月末から拡充されました>1時間あたりの賃金が地域別最低賃金+50円以内
令和5年10月以降の沖縄県の場合896円〜946円
・3ヶ月以上勤務していること(賃金を引き上げる1人だけでよい)
助成金額
賃金引き上げ額と引き上げる従業員の人数によって助成上限額が異なります。
ここでは例として「30円コース」を紹介します。
引き上げる労働者数 | 助成上限額()内は事業規模30人以上 |
---|---|
1人 | 60万円(30万円) |
2〜3人 | 90万円(50万円) |
4〜6人 | 100万円(70万円) |
7人以上 | 120万円(100万円) |
10人以上※ | 130万円(120万円) |
※10人以上は特例事業者のみとなります
助成率
9/10 | |
4/5 | |
3/4 |
ポイント
・最低賃金が引き上がる10月1日より前に賃金引き上げを実施する必要があります
(10月1日以降も申請可能ですが、引き上がった最低賃金が基準となります)
・労災保険に加入していることが条件ですが、雇用保険加入は条件にないため、雇用保険に加入してない従業員も申請が可能です。
・原則として毎年1回申請が可能です
スケジュール
助成金は厳格に申請時期や期限が定められています。
業務改善助成金はスケジュールが重要です。
設備の発注や導入、支払い、賃金の引き上げは交付が決定してからしなければなりません。
かならず交付決定を受けてから実施してください
働き方改革推進支援助成金
労働時間短縮や年休の促進等の働き方改革に関連したとりくみ実施で設備投資の費用が助成されます
支給要件
《成果目標》
3つのうちいずれかをクリア
①36協定の時間外労働・休日労働時間数の削減(60時間または80時間以下)
②年次有給休暇の計画的付与制度を新たに導入
③時間単位の年休制度を新たに導入し、かつ以下の特別休暇(有給)を1つ新たに導入
病気休暇、訓練休暇、ボランティア休暇、新型コロナ対応休暇、不妊治療休暇
②の「年休の計画的付与」とは、労使協定により、年休のうち5日を超える部分について、あらかじめ時季を指定して取得させることです。
一斉方式や交代制、個別付与など方法はさまざまです。
対象となるとりくみ
経費助成の対象となるとりくみは以下の通りです。
1、労務管理者、労働者に対する労働時間の設定改善の必要性についての研修
2、外部専門家によるコンサルティング(社会保険労務士、中小企業診断士など)
3、就業規則・労使協定等の作成・変更(時間外、休日労働に関する規定の整備など)
4、人材確保に向けた取り組み(求人媒体への広告掲載、企業説明会への出展等)
5、労務管理用ソフトウェア、労務管理用聞き、デジタル式運行記録計の導入・更新
タイムレコーダー、ICカード、ICカード読み取り装置等の導入・更新等
6、労働能率の増進に資する設備・機器などの導入・更新
POS装置導入で在庫管理、自動食器洗い乾燥機、携帯型成分分析器、入集荷・業務システム導入、3DCAD専用機導入など
助成金額
経費の助成
対象となるとりくみの実施に要した費用の 75%
上限額
目標①・・・100〜200万円
目標②③・・・25万円
ポイント
・今年度の申請に関しては目標①の36協定は令和5年4月1日以前に届けられている必要があります
・1事業所につき1回まで申請が可能です
・目標②や③はあくまで「新規導入」である必要があります
スケジュール
助成金は厳格に申請時期や期限が定められています。
就業規則等の改定は決定前も可能です。ただし機器の購入等は交付決定の後になります